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子供たちへ

子供たちへ

 

 

君たちがいつ僕のところへやって来たのか

それは鮮明に覚えているが

いつ子供になったのか

そして

いつ大人になったのかは分からない

 

「いつ」がいつなのか分からない

 

敢えてあのときと呼ばせてもらうなら

君たちがひとりの赤ちゃんから

立ち上がって歩き出したときを

あのときと呼ぼうか

 

恋をして

そして

恋をなくしたときをあのときと呼ぼうか

 

抱えた夢は見事な不在を見せるものだ

それでも無くしてはならないよ

 

僕は君たちに

僕を「お父さん」と呼ばせた

それはお父さんになる前から決めていたことなんだ

お父さんのお父さんもそうさせたからね

 

夢を抱えた瞬間に人生は厳しいものになるようだ

ちっぽけや、でっかさで夢を対比してはならないよ

どちらも同じだ

 

夢とはね

虹色に姿を変えるけど

決して正体不明ではない

追いかけているときがいちばん美しい

 

感じやすいという心は生きる武器になる

無力は引き金にはならない

無は力にはならない

 

どこかに向かって歩き出した君たちは旅人になった

いろんな出会いや苦しみで

つま先をどこに向ければ良いのか

分からなくなることもあるだろう

 

なあに、誰もがそうなんだ

たくさん迷えば良い

 

いまお父さんは

君たちに何を書けば良いか分からなくなったよ

 

「愛している」と書けば

すべてを理解してもらえるだろうか