君の声

君の声

 

 

ひび割れた心にクリームを塗って

しっかりと自分を抱きしめてみよう

 

ごめんよ

こんなふうに、こうなるまで

こうなっちゃって

 

明日とか

朝とか

夢とか

音符とか

全部無くしちゃって

 

ごめんよ

こんなふうに、こうなるまで

こうなっちゃって

 

気がつくと僕は死体だったんだね

絶望の剣を背中から受けて

 

頬に当たる冷たい石畳に慣れて

これが自分の温度だと思い込んじゃっていたんだよ

 

今日ね

嵐ではぎ取られた隣の映画館の屋根の隙間から

太陽の光が錨を降ろしたロープのようになって届いてね

ここが闇だったと気がついたわけさ

 

手巻き時計がいつ止まっちゃったのかも

僕は知らない

長針と短針がだらりと腕を下げているよ

 

だけどね

ひび割れた心の中から希望だけは流れ出ずにいたみたい

光に当たった希望が光合成のようになって膨らんでね

もう一度人生を冒険しようと語りかけてくる

 

そして僕が立ち上がった瞬間に

絶望の剣は抜け落ちた

 

こんなに自由じゃないか

僕はいまドアのノブを掴んで

この部屋を出て行くタイミングを伺っているところ

 

このドアを開けたら

景色はどこかの路地裏かい

それともどこかの草原かい

 

きっと目に映った景色が今の僕さ

君の声のする方へ歩いて行くよ

 

僕の名前を呼び続けて欲しい

君の声が風のようになって

僕の前に道を作るんだ

 

あの日のように

あの日のように