日常の風景

日常の風景

 

 

ヨハン・パッヘルベルのカノンが流れる中を

ひとりの青年がスローモーションで機関銃を撃ち放す

その時

殺戮はまるで日常の風景のようだった

 

かけ離れた出来事というものは他人事のようになるものだ

心の中にザラついたものがない

動かない絵を何も考えず眺めているだけの景色だ

 

自分が自分を気にしすぎると前に進めなくなる

他人の目を気にしても他人はそれほど暇じゃない

 

返せば

みんなが自分にいっぱいなのだ

 

心のわずかな領域で

子猫のように体を寄せあって

明日の重心をとるのも悪くない

 

生きてることに飽きたからといって

直ぐに死ねる人たちには

無言の拍手を贈ってあげよう

 

孤独な冒険家が得る満足は

孤独な冒険家にしか分からない

 

欠落した痛みの理由は

墜落した者にしか分からない

 

傷んだバナナを口に頬張ると

少しだけシンナーの臭いがする

僕にはそう感じるのだ

 

人それぞれは人それぞれに人それぞれを歩き

与えられた地面の上を運命という名で進んで行く

 

僕は夏の海のようにデリシャスで

すべての共有になりたいとどこかでいつも願ってる

それが日常の風景のようになった時

きっと僕は満足するのだ