賭け

賭け

 

 

海は赤かった

 

そのはずでいたことがそうではなかった

血で洗い流す夢

 

一瞬も死ねなかった

読み返すと間違っていた

誰かが叫んで初めて気がついた

 

太陽は寒かった

 

予測していた痛みじゃなかった

言葉は黙された

 

最初に明日があった

昨日を語らなかった

誰かが転んで初めて気がついた

 

空は狭かった

 

気がつけば屋根の上にひとりだった

ハシゴは外されていた

 

やったやつがやったんだ

死んだやつが死んだんだ

誰かが歌って初めて気がついた

 

墓穴の大きさを正しく知ってるやつはいないか

弔いは儀式だ

やらねばならないだろう

 

夢にアリバイがなかった

愛には証拠がなかった

 

結局信じるといつもこうだ

最後に砂を噛まされちまう

 

だが

性分ってやつは消えないもんで

また未来を信じてしまいやがる

 

オレは賭けで生きている

誰かオレに賭ける物好きはいないか

 

人気絶頂の俳優が

撮影中に落馬した

その程度のことだと思ってくれ

 

いまは偶然ひとりだが

いつかは自分をもっと増やすつもりだ

この意味がわかるか

 

なぜだ

誰が

どうして

こうなった

 

なぁに

味方がいなかった

それだけのことさ

 

誰かオレに賭ける物好きはいないか