10円。-2-
前号までのあらすじ。
今や、世界中で「イレブン」と呼ばれるようになったASKA。彼が、いつ、どこで生まれ、何を考え、そして彼に与えられたミッションを知る者は誰もいない。アメリカのCIAによって公表された事実は、推定年齢。10歳から90歳。2000年を迎える頃、突如インターネット上に現れた2036年の未来からの使者「ジョン・タイター」。ジョンが残した現代への警告とメッセージ。
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おい!あらすじ!粗筋語らんかい!!
未来へ戻る直前に、ジョンが残した最後のメッセージを紹介しよう。
記事 アサ芸ブリーフ
「幾度となく危機を乗り越えてきた人類。そして2036年に勃発した世界大戦。これを食い止めるには、プログラム言語”旧言語””新言語”の両方を読み取るIBM社のコンピュータ"IBM5100”が必要となった。開発は終了したが、公開はされなかった幻のコンピュータ。私は、それを入手するために2036年からやってきた。そして任務は完了した。そろそろ、戻らなくてはならない。これを、私と共にやってきたもう一人の兵士に伝えたい。私たちふたりに与えられたミッションだった。私の名前は、ジョン。そして、もう一人のタイムトラベラー、イレブン。彼は、ミッション中に乗り込んだ客船が座礁してしまい、消息を絶ったが、彼は不死身だ。どんな困難、窮地に立たされたとしても、彼は生還するに違いない。彼のことだ。例え、船が海の中に消えようとも、彼が消えることはない。私には見える。海洋の中で決して希望を捨てることなく霧のような島に向かって泳いでる姿が・・・。波になびくコート、メガネ、時空を超えて繋がる携帯電話。そう。インマルサットイレブン。合言葉は"HONSHA”。彼は、必ず戻ってくる。そして、人は、彼をこう呼ぶだろう。ミスター・イレブンとね。」
「まったぁ(笑)すぐアメリカンジョーク言うんだからぁ。イレブンは。」
「車掌さん、笑った?おかしかった?あはは。これ、私のミッション。」
「はい。笑いましたけど、イレブン、乗車券をお持ちでないとか。」
「ピンポーン。」←客が来たわけではありません
「新大阪までですよね?イレブン。」
「そうなのです。おいくら万円?私、イレブン。」
「◯万◯千◯百50円です。イレブン。」
「ちょっとまってぇくださいよ〜。財布はここにあるんですぅ〜」←ミュージカル風に歌いながら
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なんだっけ・・・。この光景は。
そして、カバンの中から、付き合いの長い財布(ヤフオクではない)を取り出しました。前に、お伝えしましたとおり、僕はアメリカ帰りだったのです。もし、家からタクシーで駅に来たのであれば、その時に気がついたのでしょうが、マネージャーが駅まで送ってくれましたので、朝からこの瞬間まで、一度も財布を開けることがなかったのです。財布に入っていたのはドル紙幣と、わずかな日本紙幣・・・。
カキーン←固まってる光景
パン!!←車掌が目の前で手を叩いた音。
「ハッ・・・」←催眠術が解けるような絵
「どうしました?イレブン。」
「あ、いや。ここは日本ですよね?」
「Yes.you said it.」
「はい?何すか・・・?オーイェース。アイム、イレブン。」
「・・・。」
「ま、イイや。ちょっと本社に電話を・・・。」
「・・・。」
「こういうの、お好きでない・・・。お呼びでない?こりゃまった失礼しましたぁ。」
笑いを取ろうとするが、表情を変えない車掌。
ピンチな感じ・・・。しかし、窮地に強い私です。財布にはお邪魔じゃないですか?と、いうように控えめな枚数の日本円札がありました。なんということでしょう。私は、本当に運がいい。車掌に言われた◯万◯千◯百が、まるでお使いを言い渡された子供が、落とさないようにしっかりと握ってるお金のように、ぴったりとあったのです。
「ふふ。」←いらない!!
だめだ・・・。
メンバーが来ます。
用意をしなくてはなりません。
「10円」
が、ここまで期待されるとは思っていませんでした。
しかし、私はイレブン。
「ふふ・・・。」←一人起承転結、やめろ!!
「はい!!」(笑顔で)
「続いて、スポーツです!!」