明日、震災から丸7年目、そして8年目に入ります。

7年目を迎えても、福島原発は何も変わっていません。

むしろ、これから何が起こるのか、誰にも分からない状態です。

プールには燃料棒が、約1万本眠っています。
報道では「取り出し完了」と発表されましたが、一部です。
UFOキャッチャーのように、上手く掴んで運ぶしかないのですが、
この作業を、一度の間違いもなくできる作業員はいません。

「この原発事故を風化させないよう、未来に伝えていかなくてはならない」

こんな、当たり前のことを言っていてもしょうがないのです。
未来に伝える必要もなく、未来の人は、これを背負っていかなくてはならないのですから。

京都大学原子炉実験所助教の「小出裕章」さんという方がいます。
彼は、元々原発に未来を感じ、原発の研究をされていたのですが、いつか「原発の危険」を知ることになり、
今では身の危険をかえりみず、「原発反対」を、世の中に訴えつづけています。

僕は、ずっと小出さんの発言を聞き続けました。

それもあり、僕も「原発反対派」でしたが、この日本国を、いや、日本国運営を考えると、
正直なところ明確な答えは失ってしまいました。

この国が、あのような惨事を迎えながら、4号機が奇跡的に吹き飛ばなかったのは、ある意味、
この国の運であったと思っています。

あの時、4号機が吹き飛んでいたなら、あの時点で日本は無くなっていましたし、
北半球は人が住めなくなる大陸となっていました。

小出さんは、福島原発事故直後からチェルノブイリ原発事故を上げ、

「策を練っている時間はない。廃炉は当たり前のことで、
今すぐに原発を石棺する行動をとらなくてはならない」

と、発信しました。

石棺とはチェルノブイリが行った処置でありまして、
原発を中心に前後左右、そして、底辺。つまり、分厚い石で箱のように囲んでしまうという方法です。

福島の修理作業にはロボットなどが使われていましたが、放射能の前では、直ぐに機能しなくなり、
いわゆる「無駄な抵抗」でした。

核分裂を止めることは、今の人類の叡智を使ってもできません。

チェルノブイリは、収束したのではなく、今現在も核分裂が続いており、
それをしのぐために石棺をしています。

しかし、あの当時に石棺したものを放射能が突き抜け、更に2回目の石棺をしています。
原発を囲んだ石の向こう側に、二番目の石棺をするのです。

やがて、それも突き抜けるでしょう。
そうなると3番目の石の柵で囲む。

そして、いつか4番目・・・5番目。

日本は、やっとその方法しかないことを受け入れました。

日本は、世界で有数の地震国なんだ。

いつ、何が起こるか分からない。

軍事評論家たちが、

「戦争で、原発を攻撃されたらこの国は終わりです」

と、発言していますが、それはやらないと思います。
もし、そんなことをしたら、やがて攻撃した自国に被害が及んできますので。

僕たちが生きている間に、福島原発の収束はありません。

放射能が完全に消えてしまうまで、ただ、待っていなくてはならない。
1万年とも2万年とも言われています。

しかし、人類は幾度も絶体絶命の危機を乗り越えてきました。
予想もしなかった自然現象かもしれない、科学力かもしれない。
発表されない「地球外知的生命体」による手助けかもしれない。

僕らは、希望を捨てずに生きてゆくしかないんだな。

 


ASKA(2018/3/10 11:24)

 

 

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