久しぶりの人。
何年ぶりだったんだろ?
僕らが21歳でデビューした時、その人は30歳前半だったのかな・・・。
「お前たち、〇〇さんにはちゃんとしろよ」
レコード会社のスタッフには、そんな風に言われていた女性音楽ライターさんでした。
とにかく、言葉の切れが鋭くてね。
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」
はっきりしてる人でした。
と、言って嫌いなアーティストを「嫌い」「つまらない」などと、一刀両断する人ではなかった。
別にレコード会社のスタッフから言われたからではなく、
僕は、そのライターさんとすぐに仲良くなりました。
家にも遊びに行ったし、電話では普通に1時間以上喋ってたな。
今日は、その人のマンショに遊びに行って来ました。
そこは「A棟」「B棟」のような造りになっていまして、受付で部屋番号を聞いている時に、
「何よ・・・。電話しなさいよ。」
と、ロビーまで降りて来て、迷っているであろう僕を迎えに来てくれました。
「おー!!久しぶり!!」
「すっかりおばあちゃんになっちゃったでしょう?」
元々、知り合った頃から年齢不詳でしたからね。
10歳の歳の差を感じさせない人でしたので、僕は、生意気にもすぐに「タメ口」だったのです。
きっと、気が合うんですよ。
例え、今回のように、何年連絡を取り合ってなくても、すぐに、
「いつも通りにお話ができる人」
そんな人っていますよね。
2時間くらいお邪魔したかな。
もう、今は音楽ライターはやっていないとのことでしたが、
若いミュージシャンとの付き合いが広く、僕の知らない若手ミュージシャンの楽曲を、
YouTubeで、何曲も聴かせてくれました。
その情報量からは、
まだまだ、現役じゃん。
と、思いましたので、
「ね、オレの次のやつやってよ」
「あなたね、私、15年以上書いてないのよ。無理よ、無理無理」
そうですね。
時代と共に音楽が変化するように、ライターとしての視点も、表現も変わるのでしょう。
レコード会社などは、その人がライブを観に来ると、その人用の担当をつけるくらい、
ライターとしては大御所です。
いや、「大御所だった」と言ってあげた方が、もう、今は楽みたい。
「好きなことだけをして生きてる人」
その人とは、ずっと付き合っていくだろうな。
「すっかりおばあちゃんになっちゃったでしょう?」
いえいえ「素敵な」ですよ。
デビュー当時は「すっごく歳の離れた人」という感じでしたが、
今では、背伸びする必要もなく、確かに「お姉さん」ではありますが、
もう、そんなことさえ考えません。
人ってそういうものなのでしょう。