付録
付録
子供の頃
月刊雑誌の付録が楽しみだった
まともに組み立てたことのない
子供の科学物シリーズ
それがあるだけで
得した気持ちになったのだ
キャラメルを買うときもそうだった
キャラメルよりも
何が入っているか分からないオモチャに魅力を感じていた
僕はCDをリリースするとき
「先行予約特別仕様」というものを嫌った
なぜなら
最初に買ってくれたリスナーと
最後に手にしてくれたリスナーとに違いをつけたくないからだ
「それではイニシャルが稼げない」とレコード会社は言うが
かたくなに断った
自分の価値がそんなもので決まるなら
その程度のアーティストでしかないと思っていたからだ
いまでは配信の広がりで
そんな話はしなくて良くなったが
ある日
月刊雑誌の付録で得たあの頃のわくわく感を思い出した
CDの発売を待ってくれているリスナーに
楽しみを感じる付録があっても良いのかなと
僕の気持ちは
するりと向こう側に回った
この次は何か考えてみます
待っていてください