マイク

この国でカラオケが知られるようになった5年前くらいかな。

 

実は、カラオケのアナログレコードというものが、すでに売られておりました。

 

高校1年のころでした。

周りで、この存在を知る人は、ほとんどいなかったと思います。

 

友人が、放送部に入っておりまして、マイク、スピーカーなどにこだわっていました。

 

その友人の自慢品を見に行った時に、

 

「カラオケレコード」

 

と、いうものを知ったのです。

 

今思い出すと、オモチャのようなマイクでしたが、それでも、マイクなど、生徒会で発言するときぐらいの存在でしたので、それを手にした時は、別次元のモノのように感じたのを覚えています。

 

あっ!「スター誕生」のオーディションでは、体験してたわ・・・。

もう、この話は、知ってる方もおられますから、別に隠すことではありませんね。

 

で、その友人の家で、マイクを持ち、カラオケというモノを体験したのです。

 

歌ったのは、布施明さんの「積木の部屋」でした。

それをカセットに録音してくれたのです。

 

もう、なんというか「6畳の歌手」でした・・・。

 

「『なんちゃって歌手』自分から誕生」

 

その後、デビューした頃かな。

もう少ししてからかな。

 

スナックなどで、カラオケが流行りだしたのです。

 

カラオケというのは、今でも、楽曲のコードのコピー間違いなどがありますので、どうせ歌っていただくのなら、限りなく本物に近いオケで歌ってもらいたいものだなと思っています。

 

それも、僕の中の構想のひとつです。

 

そして、歌に大きく影響するのが、マイクです。

カラオケが大流行していました頃「マイマイク」を、用意して歌われている方も、

よくお見かけしました。

 

僕も持っていますよ。

 

マイマイク」

 

そして、レコーディングの時には、この「マイク選び」が重要です。

ギター、ベース、ピアノ、ストリングス、そしてボーカルなど。

 

それぞれに対してのマイクがあります。

種類は、様々です。

 

ギターアンプの鳴りで、ギタリストがアンプにこだわるように、「このスタジオの鳴りならこのマイク」というやりとりを、レコーディングエンジニアとします。

 

レコーディングという作業は、ひとつひとつのこだわりの作業ですからね。

 

前回、そして今回のアルバムの反省点を述べるなら、

最も自分の声にふさわしいと手に入れていたマイク。

 

そのマイクだけで歌ったということです。

 

僕の声は、その道の専門家のみなさんが、揃って、

 

「業界でいちばん倍音が含まれた声」

 

と、仰ってくれますが、自分ではわかりません。

 

ま、いいや、そのことは。

 

その僕の声を漏れなく拾ってくれるマイクと出会ったのは、

30年ほど前でした。

 

すぐに、強引に買わせてもらいました。

 

それでも、年齢によって声の変化がありますので、

これまで様々なマイクを使用してきたわけですが、前回のアルバム、

 

「Too many people」

 

の時に、使ってみましたところ、やっぱり良いわけです。

で、前回、今回と、そのマイクだけで歌入れを行いました。

 

このマイクです。

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真空管をとおして鳴るヴィンテージマイクです。

コンデンサーマイクと言われています。

 

「受注生産」と、掲載しているところがありますが、それは、壊れたり、劣化したパーツをどこからか見つけだして、使えるようにするということなので、世の中の認識の「受注生産」とは、ちょっと違います。

 

壊れると、大変なことになりますので、腫れ物に触るように扱っています。湿度管理もしなくてはならないのです。

このマイクは、一生手放すことはないと断言できます。

 

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僕の、アルバムでバラードを主体とした「SCENE」シリーズがありますが、その手のアルバムでは抜群な力を発揮してくれます。

 

ただ、このマイクには、声に温かみを感じさせてくれる特性がありますので、シャウト系の楽曲には、少し違うかもしれないなと感じている今です。

 

次のアルバムでのシャウト曲は、少し角のある声になるようなマイクを使ってみようかなと思っています。

 

テーブルの上に置いたパソコン越しに、湿度管理されたマイクが見えてしまいましたので、それを書いてみました。

 

 

ASKA