「ただいま」です。
なかなか、濃い三日間でした。
打ち合わせに、打ち合わせ、そして会談、交渉、夜は客人。
今の僕には、どれも同じくらい大切なことでして、全て、これからのことに繋がります。
毎朝10時から始まりました。
昨日は、大企業に足を運びました。
事前に名前を告げてしまうと、現在の状況から、お会いできないことも十分予想できましたので、
信用のある人が場を設定してくれ、結果、飛び込みで企業の代表とお会いすることができました。
今の僕は「お会いする」と、いうことがとても大切です。
どんなに、僕を応援してくださる方が動いてくれても、「立場的にお会いできない」と、
いう現状は続いていますので、真正面から、体当たりするしか方法はありません。
その企業の代表もそうでした。
「初めまして。ASKAです。」
瞬時に「驚き」と「困惑」の表情がありました。
しかし、そうであっても、目の前に僕がいます。
すぐに三つめの表情になりました。
リセットの表情です。
「お会いする」
目的の入り口です。
まだ、着席をしない時に、
「ASKAさんは、以前、ロンドンに住まわれていましたね?」
「はい。」
「ノースセントラルでしたね?」
「ええ。フィンチェリーという街です。」
「〇〇さんを、覚えていらっしゃいますか?」
「あっ! はい。向こうで機材が壊れた時に、修理をしていただき、その後、〇〇さんのご自宅にディナーに招いていただきました。」
「私も、その頃、ロンドンに居ましてね。お噂はお聞きしておりました。」
「ああ、そんなんですね。奇遇です。」
最近、〇〇さんが、
ご病気でお亡くなりになったことを聞かされました。
大変、お酒が好きな方で、酔うと、お客さんへプレゼント癖がある方でした。陽気な方でした。
あの時、ディナーでは、木彫りの人形をいただいたのを覚えています。
そして、その企業代表に、僕が企画を投げかける前に、
まず、僕にはやるべきことがあります。
自分の立たされている状況。
そして、
メディアから世の中に植え付られてしまった「反社会勢力との繋がり」など、一切ないことを、
しっかりと、自分で語ること。
言い訳や、嘘など、簡単に見抜いてしまう人たちです。
しっかり、伝える。
それができれば、誰も、どこも、一瞬にして空気が変わります。
その日も、そうでした。
僕は、今の音楽業界が変革期に入っていることを、僕の視点で語り、
その上で、その企業に、新製品の開発を投げかけました。
あの事件で、僕はいろんなものを失いましたが、
失って得たものは「自由」でした。
あれがなければ、今、僕がやろうとしていることは、どれもなかったでしょう。
パッケージされた中で、何も変わらないベルトコンベアーに乗せられたままのような活動をし、
やがて、アーティスト生活を閉じて行くことになっていたでしょう。
再三お伝えしていますが、今の僕には、幾つものプロジェクトが、並行して進んでいます。
「どこか」と「どこか」を結びつけ、双方の協力を得、新しいムーブメントを起こしてゆく。
「お会いする」ことさえ、できれば、どのプロジェクトも可能性に向かいます。
どれをしても、今の僕の状況でなくては、手をつけることができないことばかりです。
先ほど、以前より親交のある、音楽ライターさんから、連絡を受け、今度お会いすることになりました。
前回の「Too many people」は、人手がなく、誰にも新譜をお届けすることができなかったため、
いつもはレコード会社から手渡されるアルバムを、みなさん、購入して聴いてくれていました。
今回、会社も立ち上げ、スタッフも増えましたので、早速、新譜が届き、連絡をくれたのです。
「『Black&White』 過去最高のアルバムだと思います。」
あることに気づいてくれたかどうかは、まだ、わかりませんが、
それでも、そう言っていただけたことは、
何よりも喜びです。
「過去最高」
何を基準にして「過去最高」なのかは、わかりません。
しかし、その言葉を発してもらえることは、明日への音楽づくりの力となります。
DADAレーベルは自由です。